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筒井 菜緒; 伴 康俊; 鈴木 英哉*; 中瀬 正彦*; 伊藤 紗弓*; 稲葉 優介*; 松村 達郎; 竹下 健二*
Analytical Sciences, 36(2), p.241 - 246, 2020/02
被引用回数:21 パーセンタイル:79.8(Chemistry, Analytical)ランタノイドからのアクチノイドの効果的な分離について調べるため、新規抽出剤テトラドデシル-1,10-フェナントロリン-2,9-ジアミド(TDdPTDA)と3-ニトロベンゾトリフルオリド(F-3),ニトロベンゼン, -ドデカンなど様々な希釈剤並びにAm, Cm及びLnを用いて単段のバッチ試験を行った。抽出速度は実際の抽出フローシートを実行するにあたり十分な速さであった。分配比対TDdPTDA濃度及び分配比対硝酸濃度のグラフの傾きは、F-3系及びニトロベンゼン系では似ていたが、-ドデカン系とは異なっていた。これらの違いは希釈剤の特徴によるものである。この研究ではTDdPTDAが高い 及び を示し、AmのLnに対する分離係数()は分離するのに十分な値であることを明らかにした。
有田 忠明*; 山西 敏彦; 岩井 保則; 西 正孝; 山本 一良*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.1116 - 1120, 2002/05
深冷壁熱拡散塔の分離係数をH(水素)-D(重水素),H-T(トリチウム)系で測定した。塔は高さ1.5m,内径0.03mである。塔の中心に同心状に設置するヒーターとして、径0.05mmのタングステン線と、径11mmのシースヒーター型のものを使用し試験した。塔の分離係数は、ヒーター温度の増加とともに増大する。また塔への供給流量の増加に対して、分離係数は減少し最適圧力は増大する。タングステン線使用時の全還流操作時の最大分離係数は、温度1273Kで、H-D系では49.2,H-T系の条件では284であった。供給流量10cm/min,温度1273K,H-T系の条件で、タングステン線ヒーター使用の場合、最大分離係数は55であったが、シースヒータ使用の場合には温度が763K以外は同条件で、2660の高い分離係数を得た。これは、ヒーター径が大きくなることで、塔内の温度分布勾配が大きくなることによるものである。
駒 義和; 小山 智造; 船坂 英之
JNC TN8400 99-021, 34 Pages, 1999/03
先進的核燃料リサイクルに係わる分離技術研究開発の一環として、三価のアクチニドとランタニドを分離する方法であるSETFICS法を開発している。これは、CMPO-TBP混合溶媒(TRUEX溶媒)とDTPA-塩析剤溶液を用いる溶媒抽出法である。本検討では、上記分離系での三価金属イオン(アクチニド及びランタニド)の挙動を理論的に説明することを目的とし、以下のような検討を行った。DTPAと金属の錯生成反応やCMPOによる金属の抽出反応に着目した。(1)DTPA溶液中での三価金属イオンの溶存状態水溶液中でのDTPAと金属Mの存在状態について、MDTPA2-及びMHDTPA-は錯体が形成されるモデルを検討した。DTPA-金属錯体の生成は高酸濃度で抑制されるが、pH1程度から顕著となる。pHが12程度の領域では、MDTPA2-にプロトンが付加してMHDTPA-が生成する反応が寄与する。このような錯体の生成は酸性溶液中では極めて低濃度で存在するDTPA5-イオンの濃度に大きく依存する。DTPA-金属錯体の安定度が非常に大きいため、DTPA5-イオン濃度が非常に小さくとも比較的高い酸濃度から錯形成は進行しうる。(2)CMPO溶媒/DTPA-塩析剤溶液中での三価金属イオンの分配比・上記の錯体の形成に加え、CMPOによる金属の抽出反応を考慮した。pH1以下の高酸濃度では、DTPA5-濃度が低いために金属はほとんど抽出される。このときの分配比の大きさはCMPOの抽出平衡定数に依存する。pHが上昇するに伴って分配比は減少するが、pHに対する分配比の傾きは実験値と一致した。(3)CMPO溶媒/DTPA-塩析剤溶液中での三価金属イオンの分離係数金属間の分離係数については、DTPAの錯形成とCMPOの分配比を用いるより簡単な表現も検討した。このモデルは、pH2以上においてCe以上のランタニド及びアクチニド元素について成り立ち、実験値と良く一致した。
L.Donnet*; 森田 泰治; 山岸 功; 久保田 益充
JAERI-Research 98-058, 63 Pages, 1998/10
高レベル廃液の群分離における新分離スキームの可能性を探るため、モルデナイトによる0.5md/L硝酸等の酸性溶液からのセシウムの吸着分離について研究した。バッチ吸着実験において、調べた3種のモルデナイトはほぼ同様の挙動を示した。天然モルデナイトによる0.5md/L硝酸からのCsの吸着では、分配係数1150ml/g、飽和吸着量0.64mmol/gが得られた。天然モルデナイトを用いた元素混合溶液によるカラム吸着実験で、Csは選択的に吸着されることが示され、Cs以外ではモル比で約4%のRbがカラム中に残るのみであった。4md/L硝酸による溶離についても検討し、吸着されたCs及びRbは、カラムより定量的に溶離されることを明らかにした。
目黒 義弘; 北辻 章浩; 木村 貴海; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.790 - 793, 1998/00
被引用回数:21 パーセンタイル:73.94(Chemistry, Physical)3価アクチノイド及びランタノイドイオン(M(III))の18-クラウン-6エーテル(18C6)と-ジケトン(HA)による1,2-ジクロロエタンへの協同抽出反応を検討した。これら金属イオンは、競争的な二つの抽出反応、協同効果イオン対抽出(SIPE)反応、協同抽出(SE)反応、によって、それぞれ陽イオン性錯体、MA(18C6)、又は中性錯体、MA(18C6)、として抽出された。大きさの異なる置換基を有する4種類のHAを用いて、SIPEとSEの競争の優先性、及びSIPEにおける金属イオンの抽出選択性に及ぼすHAのかさ高さの影響を明らかにした。小さな置換基を有するHAを用いるほど、SIPE反応の優先性が増大し、またSIPEにおける金属イオンの分離係数も向上した。
山本 一良*; 山西 敏彦; 西川 正史*
プラズマ・核融合学会誌, 71(3), p.202 - 211, 1995/03
核融合炉燃料サイクルの同位体分離システムとして、大流量の連続処理が可能であり、高い分離係数を持つ深冷蒸留塔は、最も有望視されており、現にITERの同位体分離システムとして採用されている。深冷蒸留法とは、水素同位体間の気液平衡比の差、すなわち相対揮発度の差を利用した分離法であり、例えばHとHTの分離係数は約1.9に達し、水蒸留法等と比較して大きな分離係数を持つ。この深冷蒸留塔の基礎実験データの取得とシミュレーションコードの開発が原研トリチウム工学研究室で行われ、設計に必要なデータの蓄積と、コード開発が終了した。更に、米国ロスアラモス研究所と原研の間で実施された協力研究により実規模の深冷蒸留塔の分離実証試験も完了した。その結果、トリチウム工学研究室で取得した基礎実験データにより、塔のスケールアップが可能であること、解析コードが妥当であることが証明された。
榎枝 幹男; 河村 繕範; 奥野 健二; 西川 正史*; 田中 健一*
Fusion Technology, 26(3), p.664 - 667, 1994/11
増殖ブランケットからトリチウム回収を行うためには、ブランケットパージガス中に含まれる1000ppmHと10ppmHTをHeより分離しなければならない。このヘリウム分離プロセスとして液体窒素温度の低温吸着方式が有望とされている。本報告では、実際にトリチウムを用いた実ガス条件で、低温吸着塔の操作特性について実験データを得た。得られた実験結果より、HT/Hの分離係数は約2であり、吸着速度としては物質移動係数1.5cm/sに相当することが明らかとなった。また実験データの解析を行う過程で開発した計算プログラムの妥当性が確認された。本報告の成果により、増殖ブランケットトリチウム回収系での低温モレキュラーシーブ塔の設計及び運転性能予測が可能となった。
石井 克典; 佐々木 紀樹; 須藤 収; 島崎 善広
PNC TN8420 93-002, 20 Pages, 1993/02
分子レーザー法応用研究の一環として,窒化物燃料開発に必要となる窒素15のレーザー同位体分離技術について調査研究を行った。オンライン情報検索システムDIALOGにより文献検索を行い,実際に文献を入手して分離プロセス,作業物質,分離係数等を調査・検討した。文献調査により以下の結果を得た。色素レーザーによる光分解反応は一般に分離係数が高く,テトラジンを作業物質に用いた例では最大10000程度であった。炭酸ガスレーザー+紫外光による2段階励起光分解反応では,作業物質にアンモニア用いた例が分離係数が最大で,分離係数は10程度であった。炭酸ガスレーザーによる多光子解離反応は比較的分離係数が低く,分離係数は4が最大であった。レーザー誘起化学反応では,窒素と酸素から一酸化窒素を合成する反応を利用した例が分離係数が最大で,分離係数は600であった。
平田 一弘*; 松本 昭*; 山西 敏彦; 奥野 健二; 成瀬 雄二; 山本 一良*
Fusion Technology, 21(2P2), p.937 - 941, 1992/03
被引用回数:26 パーセンタイル:88.97(Nuclear Science & Technology)トリチウムを含む水素同位体の分離において、熱拡散法は、装置ならびに運転方法の簡便さやトリチウムインベントリーが少ない等の利点を持ち、将来の核融合装置などへの適用が期待されている。しかしその反面、インベントリーが少ないということは、処理量が少なく大量の分離操作には難点がある。深冷壁熱拡散塔は、冷壁の温度を従来の水冷からより低温にすることにより、分離係数が飛躍的に向上されるというものである。このことは最近理論的に示され、実験による確認も徐々になされている。本報告では、外壁の冷却材として液体窒素を用いた実験装置での、全還流による性能を調べ、深冷壁の効果を確認すると共に、処理量の増大のために連続処理運転方法の確立を念頭に置き、処理ガスの供給位置における熱拡散塔の性能を中心に調べたものである。
中村 卓也; 平田 一弘*; 山西 敏彦; 奥野 健二; 成瀬 雄二
Fusion Technology, 21(2P2), p.942 - 947, 1992/03
被引用回数:2 パーセンタイル:27.49(Nuclear Science & Technology)トリチウムプロセス研究棟では、熱拡散塔による同位体分離法を他の実験装置で使用し薄まったトリチウムを分離回収する目的で開発した。本装置を使いトリチウムを実際に回収するにあたり、熱拡散塔の最適運転条件を分離性能、平衡時間塔を考慮に入れて決める必要がある。今回の試験では熱拡散塔における分離性能を決める要因のうち、塔内圧力に着目し、単塔における分離係数の測定を二成分系(同位体平衡で実質三成分系)のガスD-T、H-T、H-Dそれぞれについて行い、圧力依存性を調べた。次に4本の塔をポンプで連結し、圧力依存性・塔内分布を調べた。その結果、ポンプで連結された4本の塔内濃度分布は、4本の塔を1塔として長さだけ4倍した計算結果と良く一致した。
三井 靱*; Okada, Y.*; Sakai, F.*; 井出 隆裕*; 平田 一弘*; 山西 敏彦; 奥野 健二; 成瀬 雄二; 山本 一良*; 金川 昭*
Fusion Technology, 19(3P2B), p.1646 - 1650, 1991/05
水素同位体分離を行う熱拡散塔では、塔壁を極低温に冷却する(深冷壁を採用する)ことで、分離係数を大幅に増大しうることが解析研究により示されている。本研究では、上記深冷壁の効果を実証するために、液体窒素冷却の熱拡散塔でH-D系の分離を行い、通常の水冷却による実験結果との比較を行なった。用いた熱拡散塔は、内径29.4mm熱線有効長920mmであり、熱線と冷壁の温度差を1000Kとした。その結果、水冷却の塔では、最高操作圧力が100kPaであるのに対し、深冷壁の塔の最適操作圧力は26kPaであり、分離係数が6.6倍にまで増大することが認められた。深冷壁効果は、熱線温度を低くしHDの生成を抑えることでより顕著となり、温度を473Kにした場合、分離係数は水冷却の塔の(T=1000K)18.3倍に達した。
藤根 幸雄; 清水 徳; 齋藤 恵一朗; 柴 是行
JAERI-M 89-176, 100 Pages, 1989/10
本報告は、クラウン化合物を用いたリチウム同位体分離プロセスの研究開発結果をまとめたものである。クラウン化合物の一種であるクリプタンド221およびベンゾ-15-クラウン-5などは、リチウム同位体分離係数が、1.02~1.05であり、濃縮係数でイオン交換樹脂の場合の10倍以上である。本研究では、1段の分離を安定に次々と繰り返して所要の濃縮度に到達する方法を実現して、工業的なリチウム同位体分離法としての見通しを得ることに成功した。特に、クリプタンド221樹脂を用いるプロセスでは、複数本のカラムから成る連続式クロマトグラフィ装置を製作してリチウム同位体分離の工学基礎実証を行って新分離プロセスを完成させた。
高松 武一郎*; 橋本 伊織*; 木下 正弘
J.Chem.Eng.Jpn., 16(5), p.370 - 377, 1983/00
被引用回数:24 パーセンタイル:83.93(Engineering, Chemical)水-水素間同位体交換法を利用した多段型重水濃縮塔に対し、1つの強力なシミュレーション手法を開発した。通常の蒸留塔と比べると、本塔は、水・水蒸気・水素ガスの3つの流れが存在すること、種々の同位体交換反応が起ること、塔のコンフィギュレイションがはるかに複雑であることなどの特徴を持つ。主計算ループはニュートンラフソン法であるが、その独立変数の数をシーブトレイの数にまで巧妙に減少させてある。塔内の重水濃度がきわめて高い場合にでも適用できることが、分離係数を導入して定数扱いとする従来のシミュレーション手法にはみられない大きな利点である。
木下 正弘
JAERI-M 82-185, 41 Pages, 1982/11
本報は、多成分分離カスケードのコンピューターシミュレーションに関する著者の現在までの研究成果を系統的に整理したものである。1つの結論として、分離係数の大きい場合にでも適用できる非常に強力なシミュレーション手法が開発されている。その手法は、段間流量及び段分離係数(上昇流と下降流の組成の関数となっていてもよい)が計算の入力となっている場合に有効である。シミュレーション手法の適用例として、多孔質隔膜法による水素同位体分離カスケードシステムの定常シミュレーションが行われている。フィードの条件及び希望出力条件を例として与え、システムのシミュレーションを行い、システム構成及び設計・操作変数の値の決定がなされている。
木下 正弘; 成瀬 雄二
Nucl.Technol./Fusion, 3, p.112 - 120, 1982/00
気・液相反応分離型多段交換塔は、水素同位体分離用の有力なプロセスの1つとして注目されている。本研究では、重水炉の重水中のH及びTを除去するシステムの1ユニットである交換塔(D,DO,HD,HDO,DT,DTOを処理)、トリチウムシステムを操作すると必然的に生成されるトリチウム廃水の減容に用いられる交換塔(H,HO,HD,HDO,HT,HTOを処理)の2通りの塔をとり上げ、数学的シミュレーション手法の開発を行った。この手法は、段分離係数の温度及び濃度依存性を考慮しており、モデル式全体の厳密解を逐次代入法によって効率的に求めるものである。いくつかの数値実験により、この手法がかなり広範囲な条件下で適用可能である事が確認された。
木下 正弘; 成瀬 雄二
Nuclear Science and Engineering, 82, p.469 - 475, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.3(Nuclear Science & Technology)段間流量及び段分離係数が計算の入力となっている場合に適用できる多成分分離カスケード用の数学的モデル(我々が以前に開発したもの)の大幅な改良を行った。多変数のニュートン・ラフソン法によるくり返し計算をより効率的に行なうため、独立変数の数を大幅に減少させた。特に、段分離係数が上昇流と下降流の濃度の関数となっていない場合には、1ステップ当りに必要な計算時間及び全くり返し数は、著しく減少させることができた。多孔質隔膜法によるN-O-Ar-Kr-Xe系の分離を対象としたいくつかの数値実験により、トータルの計算時間は、改良モデルにより約百分の一に短縮されることを示した。
吉田 浩; 沼田 和義; 松田 祐二; 大内 操; 成瀬 雄二
JAERI-M 8543, 35 Pages, 1979/11
本研究は、再処理工場オフガスを対象としたクリプトン放出低減化プラントのKr-Xe分離工程に熱拡散法を適用する場合の可能性を検討することを目的として実施したものである。実験装置としてはガラス製の加熱管式熱拡散塔(有効長さ1m、冷壁内径32mm、熱管外径21mm)を使用し、種々の操作条件(温度、圧力、ガス組成、リザーバー容種)における分離特性(分離係数、回収率、平衡達成時間など)を調べた。この結果、回分操作による熱拡散塔の特性は安定しており、最適操作圧力が広い温度範囲において400Torr前後となることから、本法が放射性ガスの漏洩に対して安全性の高いことが確められた。なお、実験結果に基づいて、処理量1500ton-U/yrの再処理工場オフガスを対象とするKr-Xe分離プラントの規模を推定したところ、熱拡散塔の本数および電力はそれぞれ約600本、900Kw程度と見積られた。
吉田 浩; 藤根 幸雄; 斎藤 恵一朗; 大内 操; 成瀬 雄二
JAERI-M 8527, 49 Pages, 1979/11
本報告は、2分割型拡散筒から構成されたHertz型カスケードによるアルゴン同位体分離研究のうち、全還流条件における実験結果について述べたものである。本研究によりHertz型カスケードでは、カスケードの運転特性が安定しており操作が容易であることならびに2分割型拡散筒の分割比を増すほど段分離係数が向上することを実証した。2分割型拡散筒は、分離係数に影響を及ぼす諸因子のうちカットの効果を最大限に活用したものであり、カスケード所要段数を大巾に削減する上で極めて有用な分離器といえる。
吉田 浩; 藤根 幸雄; 斎藤 恵一朗; 大内 操; 成瀬 雄二
JAERI-M 8374, 50 Pages, 1979/08
本法は、多孔質隔膜を装着した5段からなる工学的規模の方形カスケード実験装置を用いて実施したアルゴン同位体の分離に関するものである。ここでは、カスケードの基本的な運転方法の1つである全還流操作をとり上げ、カスケードおよび拡散筒の分離特性と操作条件との相関を調べた。本研究により以下のことが明らかになった。(1)実験に用いたアルミナ隔膜の細孔直径d、細孔長さl、迷宮度dは、それぞれ約400A、2000~2200および13~15(-)と推定された。(2)本隔膜の透過係数Qexpは供給流圧力Phの広い範囲(0.6~2kg/cmA)において一定であり、アルゴン同位体の分離過程がほぼ理想的なKnudsen流の条件に従うものであると推定された。(3)分離係数影響因子の評価法の1つとして、隔膜透過レイノルズ数(Re)bをパラメータとする次のような補正因子k=0.980-eを得た。(4)隔膜近傍における流れの効果Zの評価式としてガスの流速、物性値および隔膜の表面摩擦係数を関数とする実験式を得た。
館盛 勝一; 佐藤 彰; 中村 治人
Journal of Nuclear Science and Technology, 16(6), p.434 - 440, 1979/00
被引用回数:16希土類元素と超プルトニウム元素の分離を行うために、ジイソデシルリン酸を用いて、TALSPEAK方式のプロセスを検討した。すなわち、DIDPA-DTPA抽出系における分配比(Df)および分離係数:(NdとAmについて)を求め、種々の抽出因子の効果を調べた。希釈溶剤はDfにおおきな効果を示し、ジイソプロピルベンゼン(DIPB)が最も目的に合う事がわかった。また、乳酸を水相に添加すると、Dfやは大きな変化をしないが、抽出速度は上昇した。結果から、0.05MDTPA-1M乳酸のpH3.0溶液を水相にすると、最も大きな分離係数が得られる事、抽出剤としては、0.2~0.3MDIDPA-DIPBが良い事がわかった。以上の抽出系を用いた時の高レベル廃液中の超プルトニウム元素の回収の可能性を述べた。